柿木畠物語 -カキノキクエスト-
プロローグ
その昔、マエダ家が統治していたカナザワ国の真ん中には、無数の柿の木があったという。
当時、カナザワ国は二度の大火に遭い、町の大部分が焼失していた。
困り果てた人々が三日三晩祈り続けると、どこからともなく声が聞こえてくる…。
「柿の木を植えよ。カキノモトニヒトマル。カキノモトニヒトマル…」
「柿の下(もと)に火止(と)まる……そうか!」
お告げのとおり、人々が柿の木を植えたところ、二度と火災には遭わなかったそうな。
いつしか、この地はカキノキバタケと呼ばれ、カナザワ国の中心として栄華を極めたという。
現在、ニンジョウショウテイガイとして多くの人が訪れる街となったカキノキバタケ。
この街にちりばめられた謎を解くと、何かが起こるらしい……。
- 史実に基づいた創作です。
- 独自の世界観を出すため、一部名称の表記を「カナ(現代語)」にしてあります。
- 主な参考文献:「図説 金沢の歴史」金沢市、「金沢・柿木畠」柿木畠振興会