~西外惣構跡(にしそとそうがまえあと)~
カナザワ国(金沢)を無事に治め、他国よりもずっと大きなヒャクマンゴク(百万石)の勢力を誇ったマエダ家(加賀藩前田家)だったが、遠く離れたエド国(江戸幕府)の将軍トクガワ(徳川)は、やはり脅威の存在。そこでマエダ家は、有事に備えてカナザワ城(金沢城)に堀を造ることにした。この堀と、城側に土を盛る土居などを合わせた防御施設をソウガマエ(惣構)と呼ぶ。内堀と外堀の2重構造にし、水を満たすことで守りをより強固にしたのだ。当時の堀の幅は12~16mもあり、化けカワウソの伝説も残るほどだが、周辺の都市化に伴い、徐々に狭められていった。
現在のカナザワ国にも水路として残るソウガマエ。カキノキバタケでは、東側の入口にあたるトライアングル公園(三角公園)前でその遺構を見ることができる。積み重ねられた石垣が、かつて堀だったことを物語っている。桜の季節は特に情緒的だ。冒険にあせりは禁物。足を止めて一息つくのもいいだろう。