~歴史の“証言者”~
カキノキバタケが「用水のまち」であることは前述のとおり。となれば、用水に架かる橋にも注目したい。橋の名前をたどると、カキノキバタケの歴史が見えてくる。
まずは、まちの東側入り口、ソウガマエ(惣構)に架かるクナイ(宮内)橋。かつてサムライ(藩士)の小幡宮内(おばたくない)の邸宅がこの橋の西側にあったことに由来。当時は橋番が6軒もあったという。続いて、隣町のタテマチ(竪町)へ続く小路にあるアカネヤ(茜屋)橋。昔、この橋のたもとに茜屋という染物屋が住んでおり、茜染の染め物を橋の下の水で洗っていたことからこの名が付いた。最後にポケットパークのウマヤ(厩)橋跡。ここにサムライが乗る馬の厩舎があったことに由来。現在の橋は1996年から始まった用水の開渠化に伴い新設されたものだ。
まさに「橋に歴史あり」。どれもマエダ家が(加賀藩前田家)治めた時代に名づけられたもので、まちの歴史の生き証人といえよう。ほかにも名もなき橋がいくつもあるので、お気に入りの“マイ橋”を見つけてはいかが。